どうもどうも。
いやー、また随分お待たせしてしまいました。
久しぶりの今日は「シャツの原型のパターン」について。
実は以前、ブログ読者の方から「ドロップショルダー」についての質問を頂いたのです。
で、ドロップショルダーのパターンのひき方について記事書こうかと思ったんだけど、
それならシャツのパターンでもひこうかと思い、
でも基本的な原型を知らないと説明もしにくいな、と思って
ってなると原型から?みたいな流れで今に至ってます。
でもさー、ワタシ、自分自身が全くシャツ似合わないもんで、(そんな人もいるのです)
自主的に自分のシャツって作った事ないかも。
でも今なんか流行ってるんでしょ?ドロップショルダー。え? 遅い!?
まぁ、流行に間に合うかわかんないけど、ひとまずスタートでっす。
えーと、シャツ作るときは「シャツ原型」っていうのを作ります。
まずは普通の原型をどうぞ。
そもそもこれ、どうやってひくん??って方。
オカダヤに売ってます。笑
写して何度でも使えるのでべんり。
アマゾンにも売ってた
Mサイズ(バスト77~89cm)
Lサイズ(バスト89~104cm)
あとちなみにメンズ原型もあります。(アマゾンでは見つけられなかった。。)
今回は標準のバスト83cmをトレースしてます。
でね、シャツってだいたいゆったり目なアイテムで、ウエストダーツとかこんなにいらないでしょ?胸グセダーツや、後ろの肩ダーツもこんなに分量いらないからさ、
原型の段階で最小限に減らしちゃうというわけ。
で、どこをどう直すかというと、
後ろ身頃は丈を0.7cm短くし、肩のダーツを半分の分量にし、
前身頃は胸グセダーツを半分の分量にします。
なぜ後ろ身頃だけ丈を短くするのかというと、
前後のウエストダーツを全て解放してしまうと、生地がストンと落ちるシルエットに変わるので、後ろだけやや丈が長くなるのです。その為後ろ身頃のみ7ミリほど短くしておくと、まぁそういうわけ。
ただし、単純に裾の位置を削ると、前身頃と脇の長さが変わっちゃうから注意よ。
下の手順で進めてください。
ではまず修正準備。
線引きます。
肩ダーツをたたむ為の準備の線↓
丈を修正する位置に線を引いておく。
ダーツを2等分した所に印付け、
線引きます。これで準備完了。
今回は紙を切ったり貼ったりせずに、トレースしながら修正してみるね。
原型の上に紙を乗せて、
途中まで写します。
ダーツ部分、どこを写してるかわかる?
ここの線写してます。
画像のように途中まで写したら、ダーツ止まり位置を基点に紙を回転させ、
ダーツを半分閉じます。
ダーツを半分閉じた状態で、残りの部分を写す。
そしたら一旦もとに戻して、たたむ分0.7cmの所に線をひき、
今度は下に向かって紙をずらします。
その状態で下半分をトレース。
肩線やアームホールの線を綺麗にかきなおし、終了。
こうやれば、紙を切ったり貼ったりしないので、より正確にパターンがひけるよ。
本当はだいたいこうやってパターン引くの。
え?
分かんない?
「回転させるとか線を合わせて写すとか、なんか途中でワケが分からなくなりました!もう嫌です!」
という人。
そんな人はこちら。
最初に戻って、原型。↓
切って、
重ねて、貼って、
また切って、
重ねて貼って、
完了!
ヤダーー!! 速い!
画像6枚で終わったッ!涙
でもさ、やっぱ綺麗にパターン引きたいじゃん。原型だし。
ってことで前身頃いきます。
前原型
ダーツの分量を半分にするので、半分の所に線をひきます。
ではトレースしながら修正するね。
前のダーツは、後ろの肩ダーツと違って別の所に逃がしたりしないので、
アームホールの線を少し書き直す修正になります。
紙をのせて、
途中まで写す。
ダーツは半分残すので、半分だけ写す。
袖ぐり書き直す時の目安用に下も写しとく。
ここで回転!
止まり位置を基点にダーツを半分閉じます。
透けて見える原型の線(赤の点線)からつながりよくカマ下の線(青点線)を書き直します。
余分な線を消して終了
「あ、いやだからね、分かんないってば!もう回転させたり線合わせたり嫌なんです!」
という方はこちら。
もとに戻って原型↓
ダーツ半分分折って、
たたんだ状態でアームホール書き直し。
余計な線消して終了!はやっ!
折り目ついちゃうけどね。
まぁこっちの方が手っ取り早いよね。
____________________________________
《追記》
肩線の長さを前後合わせます。
この段階でのパターン↓
そもそも、原型自体も後ろの肩線の方が少し長くなってる。
なぜかというと、後ろの方に2〜3ミリのイセを入れることが多いから。
今回更にダーツ分量を半分残して展開したから、後ろの肩線の方が長くなってると思う。
このように重ねてみると、
袖ぐりつながらないよね。
なので、この状態で袖ぐり線描き直します。
前身頃側の紙には描かれていないので、重ね直して写すか
ルレットでなぞって写してください。
___________________________________
では次。
袖。
「えっ? そ、袖?(まだあるの?!)」って思ったあなた。
そんなあなたはここでちょっと休憩して、
また時間がある時に読んでくださいませ。
ワタシは続けるけど。。笑
袖って人によって色んなひき方するかも。
ドレーピングの方が思った形にドンピシャでできると思うけど、
初心者の人や趣味の人にはちょっと難しいよね。
今日は平面パターンの基本的な袖の書き方で、ほとんど一般的な袖原型とひき方おなじ。
ただ今回はシャツ原型って言ってるので、袖山を少し低くしてひいてみます。
まずは出来上がりからどうぞ。
私はいつも、身頃のアームホールをもとにして袖のパターンひいてます。
なのでまず、アームホールをトレースするね。
基準線の直線をひき、
この基準線と後ろ身頃のバストラインを合わせて重ね、
後ろのアームホールをトレースします。
前のアームホールにはダーツがあったよね。
ダーツは閉じた状態でトレースしたいので、まず下の方だけ写し、
そのあと、ダーツ止まりを基点に回転させて、
上の残りをトレースします。
このあと、今後の重要なポイントとなる基準線G(青い線)をひくんだけど
一体どこにひくのかというと、原型のダーツ位置を通る線をバストラインと平行にひきます。
今回は前のダーツの大きさ半分にしちゃってるから、位置がずれてるように見えるけど、
原型でいうとここね。
では次に、袖山の高さ決めます。
前後の肩先の位置を水平に移動させ、その中間に印付けます。
そこからそで下までの距離をはかり、(★=18.6cm)
その6分の5を算出。(15.5cm)
通常はここが袖山になります。
ただ今回はシャツ袖原型なので、このままだとちょっと山が高いかな。
山が高いということは、腕が上がりにくいわけなので
ちょっと下げます。
本とかだと1cm位って書いていたりするけど、そんなに決まりはないかな。
数字的に14cmにしました。(1.5cm下げた)
これでもシャツにしては十分高いけどね。まぁ原型だから。
ひとまずこれで。
次に、袖山線の案内線を描きます。
袖山と袖下線の距離が、前身頃のアームホールの寸法(今回は22cm)になる位置を探して
線をひき、
後ろは、後ろのアームホール寸法(こっちも22cmだった!)+1cm(23cm)
になるように線ひきます。
このような三角。
次に、山の形を描く時の目安の位置を取ります。
画像のように、前の袖ぐり寸法の4分の1(今回は5.5cm)の所に印をつけます。
(前後共)
↑カマ(袖グリの下の部分)は、画像のように、★寸法(前は☆寸法)の3分の2の位置に印線をひいておきます。
カマ底の線と袖山線は同じラインにしておいた方が袖が縫いやすく
綺麗に付くのでこの後のトレース作業の為に。
トレースは以下の通り。
袖下の位置(赤○の所)同士を合わせるように紙を折る↓
トレース
戻すと線が透けてみえるので、
定規で綺麗に引き直します。
後ろも同様にして線を写したら、
画像のように長さをとって印を付けます↓
そうすると、スタート位置、5箇所のポイント、ゴール位置が決まったので、
そのポイントを通るように袖山線を引きます。↓
しぜんなカーブでつながるようにね。
ポイントは、アウトカーブからインカーブに変わる辺りは直線気味になるように。
できた。
丸が付いている所は合印になるところです。
でねー、できてからこの袖山はかってみたんだけど、袖ぐり寸法よりも3cm大きかった。
つまり、イセ分が3cmってこと。
まぁ、原型だからこのままでもいいんだけど、あまりにも多すぎると感じる時は
下の点線のように山の膨らみを少し削ってもいいかも。
膨らみを削るということは、その分距離も短くなるのでイセ減ります。
さいご。
そで丈決めたら終了〜〜。
って。。。
出来上がってから思ったんだけどさ。
考えてみたら、
袖の原型っていらなくない?(えっ?!)
なぜならば、身頃が出来上がってからそれをもとに袖のパターンひくからさ〜〜。。。
身頃のパターンひく時ってたいがい、原型に「ゆとり」分量を加えるわけで、
そうすっと必然的に袖も変わってくるわけで、
っていうことはつまり、袖の原型あっても意味ないかも。
みたいな。
えへ。
いやまぁ、意味なくはないんだけど。
ゆとりを加えた身頃ができたら、それを元にしてこのやり方で袖のパターンひくからさ。
なので手順としては、身頃のシャツ原型が出来た時点で作りたいデザインに身頃を修正して仕上げちゃって、
その仕上がった身頃の袖ぐりを使って袖のパターンを引いたほうがよい。
つーことで、久々でボリュームたっぷり更新でしたが
ドロップショルダー近日アップ予定です!
コメント
YUCA先生、こんにちは!
久々のパターンの記事!!楽しかったです!テンション上がりました~!
続きも楽しみにしています♪♪
みつきさま
こんにちは!
久しぶりの更新にもかかわらず、コメントありがとうございます。
パターン記事、楽しんで頂けて良かったです!
この後も少し続くので、また見に来てくださいね☺︎
yuca先生、お久しぶりです。久しぶりの超大作、シャツってこうなってるんですね-!構造を理解せずに仕様書頼みで服を作っている身としては、時々(いやかなりの箇所で)??なところがありましたが、洋裁って深いってことは分かりました!パターンを自由に引ければより自分に合った服が作れることは分かっているんですが、つい怠けてしまい既存のパターンで作ってしまいます。このブログを読んで、お勉強していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!ドロップショルダーのシャツ、楽しみです。
mutsuさま
こんにちは!久々不定期更新にコメント頂き、いつもありがとうございますm(_ _)m
市販のパターンの疑問点、とても気になります。
私も今度買ってみようかな。
どこのサイトがオススメとかありますか??
シャツはパーツが多い上に、じかに身につけるアイテムなので、ごまかしも効かなくて難しいですね。
使用される生地も様々ですしね。
私も上手く伝えられるか不安なのですが、この後も更新頑張ります!
yuca先生、こんにちは。
シャツ原型の生地、とても嬉しいです。
私が洋裁に挑戦し始めた最も大きな理由は、
「自分のサイズに合ったシャツがない」です。
首が太く、市販のシャツで第一ボタンが閉まったことがありません。
なのに、台襟のついたメンズシャツのデザインが好き。。(泣)
シャツ原型のお話、楽しみにしています。
るべるさま
こんにちは!コメントありがとうございます。
るべるさまもシャツ好きって言ってましたね!
身近なアイテムだから、きっと自分で作る人も多いだろうと思いつつ、これまでなかなか着手出来ずにいました。笑
原型はバスト寸法のサイズを基準に選び、肩幅や首回りなど体型にばらつきがある所はそれに応じて修正する感じです。
首回りは、原型から平行に削って様子をみますが限界もあるので、肩辺りに厚みがあるようなら身頃の操作も加えて大丈夫だと思います。
拝見していないのでアドバイスが難しいですが、
修正方法などもいずれ記事にしたいなぁと思っています!
yuca先生こんばんは。シャツの続き、何とか理解しようと必死に読んでます。普段は、そんな頭がないので速攻市販のパターンに頼っている怠け者ですが、今は豊富にパターンが揃っていて、私のお気に入りはクルールと言うパターンのお店です。ネット通販ですが、洋裁始めた頃に手に取り、指示書通り縫えば既製品のような(ミシンの腕によりますが)服ができあがります。プロのyuca先生にはなじみが薄いかもしれないのですが、パターンを引けない私のような人には救世主、なお店です。参考までに。次回も楽しみにしています!
mutsuさま
こんばんは!
コメントありがとうございます☺︎
クルール、ちらりと見てみました!
「フルール」は見たことあったのですが、クルールは知らなかったです。買ってみようかな〜。
いやいや、既成のパターンでも十分ですよ。
綺麗に出来た方が、また作りたいという気持ちにつながりますしね。
ちょっとしばらくパターンネタが続きそうですが、良ければまたコメントお待ちしてます?
裁縫初心者です!
この記事を参考にして、ダーツの処理をさせていただいたのですが、後ろ身頃の肩の長さと前身頃の肩の長さが合わなくて、後ろ身頃の方が短くなってしまったのですが、これはどのような原因があるのでしょうか?
ゆーきさま
こんにちは。コメントありがとうございます。
あ? 肩線の長さ、前後で合わなくなりますね!
すみません。
でも後ろの方が短くなりましたか??
どちらにしても、肩線の長さを合わせなくてはいけないなで、この後追記しておきます。
すみませんが少しお待ちください。
お返事ありがとうございます?♂️
ありがとうございます!
助かります!!
ゆーきさま
お待たせしてすみません。
袖のパターン説明の手前に追記記事を差し込みましたので、お時間がある時にご確認ください。
どうぞ宜しくお願い致します❣️
お忙しい中ありがとうございます‼️
はじめまして、こんにちは。
去年から洋裁に夢中で、本やネットを参考にたくさん服を作ったりリメイクしています。先生のサイトは説明が丁寧で参考になる記事が多く、大変お世話になっています。特にドロップショルダーの製図法とこちらの袖の製図法はありがたいです~。襟や見頃を変えてシャツ3枚作りました。どうもありがとうございます!!「学校」タグの課題もすごく面白くて生徒になったつもりで挑戦したくなりました。
20年前からフランス在住で(マルセイユの近く)、こちらでは手に入らない副資材も多くて里帰りするたびに「カナリア」(札幌なので「オカダヤ」はありません笑)に行き必要なモノを買って帰ってます。ネットで調べものができて日本語でものすごーく親切なこういうサイトがあるおかげでどこにいてもパターン作りや服作りの魅力を楽しめるのが本当に嬉しい。長くなってしまってごめんなさい。
ここからはリクエストです。ラグラン袖の製図を何度かやってみたのですが、身頃にラグラン線を好きなところに入れてから袖を製図する方法がよくわからないので、いつか記事にしていただけるといいな。
お体に気を付けて。応援しています!
端山絵美さま
こんにちは!メッセージありがとうございます☆
フランス在住なのですね! とっても羨ましいです。
今はこうしてインターネットでいろいろな情報を共有できるので便利ですよね。
シャツとドロップショルダーの生地がお役に立って良かったです。
ラグラン袖は、そういえば記事にしたことがなかったですね!
多分、私が苦手だからなんですが。。笑
説明ができるまでにまとまったら是非記事にしたいと思います。
近日中に頑張ります!
今、ヨーロッパの方でもコロナウイルスの影響が出ていると聞きます。
都内だけでなく日本各地でも連日ニュースになっていますが、
端山さまもどうか用心なさってくださいね。
不定期更新ですが、これからもどうぞよろしくお願い致します!
洋裁で分からないことがあって検索するとほぼ先生のブログに辿り着きます(お世話になってます。ありがとうございます…)。
袖山の高さを決める為に前後AHを写すとき、いつも悩むところがありまして。。
原型で見ると、分かるのですが、原型より袖ぐり底を深くしたり、脇の線がフレアに(斜めに)なっている場合、BLで水平に合わせるというのが出来ないですが、どう写すのが正しいんでしょうか。。
ゆきさま
こんにちは。コメントありがとうございます。
袖山の高さを求めるために身頃のアームホールを写す時は、バストラインが水平になるようにして写します。
脇線がフレアになっている場合とか、逆にシェイプしてある時は脇線を無視してバストラインが水平になるようにして写し、山の高さを算出します。
袖ぐり底を深くしてある時はバストラインが途中で途切れるような形になると思いますが、延長してその延長線上にバストラインが水平になるように合わせて写し、山の高さを計算します。
袖ぐりの底を下げている場合は袖幅を大きくしないと腕が上がらないので、前身頃と後ろ身頃それぞれから袖のパターンをひいて合わせたりします。(デザインにもよるので、この方法だけが正しい訳ではありません)
文章だと分かりにくいですかね。。
またご質問があればコメントください。
これからも宜しくお願い致します。
お返事ありがとうございます。
脇線は無視で良いのですね(原型で書かれたものしか見た事が無く、脇線どうすれば…と思っていました)。
袖ぐり底を深くしても原型のBLが水平の基準ということですね。
垂直の線を引いたら高さは袖ぐり底点からですよね。分かりました。。
ありがとうございます!
ゆきさま
返信頂きありがとうございます!
「袖ぐり底を深くしても原型のBLが水平の基準ということですね。
垂直の線を引いたら高さは袖ぐり底点からですよね。」
そうですそうです。
文章で伝わってよかったです!