股上のパターン修正

今日はねー、珍しくパターン修正の話です。

股上の変え方。

ちょっと質問頂いたから、そのお答えなんだけど。。

うーーん。

考えてみたら色々な場合があって、一概に「これ!」と言いにくい。

ご質問はというと、

「既成で買ったパターンの股上を深くしたい。お気に入りのパンツと同じ位の深さにするには5cmほど深くしたい。」

とのこと。

まぁ、雑に考えると、「ウエストラインを平行に5cm上げちゃえばいいじゃん!」

って思うんだけど、

一番望ましいのは、パターンのまたぐりの長さと、パンツ(服)のまたぐりの長さをはかって、その長さの差も出してみた方がよい。それでもやっぱり、長さの差が10cmはあるようなら、ウエストラインの位置を5cm上げる修正をする。

長さを測ってみたら、7cm位しか違わなかった!って場合は、その半分の3.5cm上げればよい。

とまぁ、理屈を言っていてもあんまり興味ないと思うので、とりあえずはウエストラインの高さを手っ取り早く上げる方法をご紹介。

まずパターン説明。

こんな風に、地の目線、ヒップライン、ワタリ線がある場合、

ヒップラインをカット。

紙をひいて片側をテープで固定

地の目線を直角に延長し、高くしたい寸法をとったら

そこに上のパーツを合わせて固定。ポイントは、地の目線がずれないよう、平行に移動させること。

脇線はなだらかに書き直し、前中心線は図のように直線で結びます。

後ろ身頃も同様に

このままだと、ダーツの長さが短いままなので、ダーツの長さを11〜12cmに伸ばします。

ここでご注意。これで終わりではなくって、着る位置が変わったので、ウエスト寸法の修正もお忘れなく〜。

こんな風に、ミドルヒップの寸法でできていたパターンの股上を伸ばした場合、ウエスト近くまで上がるわけなので、ゆるくなる事もあるよね。

修正後の着る位置の寸法をはかって、その寸法にゆとりを入れた出来上がり寸法を決め、

その寸法になるよう、ウエストのサイズも修正してね。

前のウエストラインの長さと

ダーツを抜かした後ろのウエストラインの長さを足して、2倍した寸法ができあがりの寸法なので、

そのままだと大きい、って場合はウエスト寸法をお好みで小さくする必要があるよ。

単純に脇で削るか、(1〜1.5cmが目安)

それ以上小さくしたい場合は、ダーツの分量を大きくしてください。

ちなみに、体型によっては小さくしなくても平気な場合もあるので、必ずウエスト修正しなくちゃいけないってわけではないよ。

ここまで読みながら、

「あ、、あの〜〜。既成で売ってるパターンって、ヒップラインとか案内線書かれてなくって分かんないんですけど。。」

って思ってる人いる?

いるよねきっと。。

こんなかんじ?

そういう場合はとりあえず、前身頃にワタリ線引いて、

それをもとに、後ろ身頃にもワタリ線ひきます。

この手順でやると、ワタリ線が股下位置にぶつからないかもだけど、

この位の寸法なら、離れてても大丈夫です。

そしたらこのワタリ線から平行に、7〜8cmの所にヒップラインになる線をひき、

そこでパターンをカットして、冒頭で説明した手順で修正すればオッケーよ。

ちなみに、7〜8cm、どっち!?ってかんじ?

9号サイズくらいまでの人は7cm、11号サイズ以上の人は8cmって感じかな。

とまぁ、以上のやり方でウエスト位置は上げられるんだけど、これが絶対正しい!というわけではないので、できればここで一度トワル組んでほしい。

なぜなら、既成のパターンは原型ではないので、この修正でやると後ろまたぐりが余る、ってことも考えられるの。

たとえば、これ、パンツの原型で、股上がジャストウエストまであるとするよね。

これを使ってウエスト位置を下げる修正をする場合、平行に下げることもあるんだけど、

こんな風に、前中心に向かってどんどん下げることもある。

平行に大きい分量下げ過ぎると、しゃがんだ時おしり見えちゃうから。

なので、こういうパターンで出来上がってる場合は、平行にウエスト上げちゃうと、今度は後ろが余ってくるでしょ?

なので、どこの部分をどの位上げたいのか、またぐりの長さはどの位差があるのか、など

様々な部分の採寸をしたり、パターン修正後はトワルを組んで着用してみることも大事です。

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コメント

  1. mutsu より:

    こんばんは。股上の修正、なるほどです。今まで、一回作って股上がきつくてお蔵入りのパターンが何点かあったのですが、修正可能かもしれませんね。(^_^)
     でも、度素人の私には修正に伴って変わるウエストの変更とは?と謎が・・・。どのようにウエストを修正すればいいのでしょうか??すみません素人の質問で。でもここも修正しないとウエストが変なことになるんですよね?

  2. yuca より:

    mutsuさま
    こんばんは!コメントありがとうございます。
    いえいえ、ちょっと分かりにくかったですね。
    補足すると、
    股上が浅かった時と、深くした時とでは、パンツを履いた時のウエストの位置が変わりますよね。
    腰の位置で履いていた物が、ジャストウエストの位置まで上がってくるという事です。

    そうなると、今度はウエストのサイズがゆるく感じる場合があるので、必要に応じてウエストサイズも小さく修正する、という事です。

    文章だと分かりにくいですか??
    もし伝わりにくい場合は、遠慮なく教えて下さいね!

  3. yuca より:

    mutsuさま
    引き続きすみません。
    記事の内容修正してみました!

  4. mutsu より:

    なるほど!よくわかりました。(^_^)そうですよね、そのままだとウエスト余っちゃいますもんね。本当に勉強になります。死蔵品のパターンでやってみます!ありがとうございます。
    v最近、こちらの目から鱗の記事の数々を読んで、なんだか作ってもいないのに自分の洋裁レベルが上がった気がします。実際、今まで苦手だった糸ループがスイスイできるようになりました!これからも楽しみにしています。

  5. yuca より:

    mutsuさま
    よかったです!
    またいつでもご質問下さいね☆

  6. でこぽん より:

    yuca先生
    こんばんは。今回の記事も、とても勉強になりました!
    私は既製品で股上浅めのパンツは、腰の上が落ち着かないと感じることが多いです。でも同じ位の股上でも大丈夫なものがあるのも事実。最後の斜めのラインがヒントになりそうです。パンツ製作の際にやってみたいと思います!
    最近は作った服を着ておしゃれするよりも、パターンを知ることの方が楽しい気がしてきています。笑
    股上浅めのパンツもそうですが、着心地がよいパターンは何が違うのかにも興味があります。
    パターンを思い通りに引けるようになれたら、デザインも追及したくなりますね。こうなってくると自分が着るもののためだけではなくなってくるような。。。学生時代に遡って、今とは全く畑違いの服飾へ進路変更したい位です。

  7. yuca より:

    でこぽんさま
    コメントありがとうございます。
    ただ股上が浅いだけのパンツは、おしりが見えそうで形が良くないものもありますね。

    着心地は、着る人の体型と服が合っていれば良いことなので、一概に「こういうパターンがいい」とは言いにくいですが、平面的に感じる服にはあまり魅力を感じないですね。
    説明が難しいのですが。。
    私は試着が好きで、なるべく沢山試着するのですが、以前試着したハイブランドのジャケットは、まるで体に吸い付くようなフィット感で、袖が細いのに上げやすく、一体どうなってるの!?っと感じたのを覚えています。

    でこぽんさまのように観察力が高い方は、パターンの感覚をつかむのが早そうですね。
    興味を持った時が一番の学び時だと思うので、一番やってみたいことから始めてみると良いきっかけになると思いますよ!

  8. りんご より:

    ありがとうございます(o^^o)
    早速こちらの修正方法でやってみます。
    ちなみに、わたりからふくらはぎくらいまでを細くするには、どこをどう修正すればいいのでしょうか?
    感じとしては、軽くテーパードな型紙を、しっかりテーパードなパンツにしたいのですが…

  9. めいこ より:

    はじめまして。少し前からブログを拝見してます。

    私は10年近く前に地方の大学で服飾を学んだのですが、、
    当時、基本的な形のものしか作っておらず、
    しかも、あまり真面目な学生ではなかったため
    (1番の反省点です、、)
    今になって、こんな服作りたいなー♩と思っても
    パターンの展開が分からない、という悲しい現実にぶちあたっています。
    なので、こちらのブログは本当に勉強になりますm(_ _)m
    専門学校では、デザイン別にパターンの展開を学んだりするのでしょうか。もし、参考になる本などあれば教えて頂きたいです。

    これからもブログの更新を楽しみにしています!

  10. yuca より:

    りんごさま
    コメントありがとうございます。
    シルエット修正も、近々アップしますね!

  11. yuca より:

    めいこさま
    はじめまして。
    コメントありがとうございますm(_ _)m
    私はスタイリスト科のクラス担当なので、デザイン科のカリキュラムにはあまり詳しくないのですが、専門学校でも恐らく基本的なアイテムから基本的なパターン展開を学び、ジャケットなどの難しいアイテムのパターン展開へと発展していくと思います。
    クラスによっては、ドレーピングやCADの授業もあるようです。
    あとは、時期によってコンペやファッションショー等のイベントがあるので、出展作品に応じたパターン、縫製の指導等だと思います。

    参考になる本は、ここのブログでも何冊か記事で紹介しています。
    カテゴリーで「本、資料」があるので、そこから見つけられると思います☆!

    またご不明点があればメッセージ下さいね!