今の研究科生(新研究科生、っていうのかな?)
今度の4月から3年生になる生徒たちって意味だけど、
すごく真面目で、なおかつ縫うのが好きな子が多いの。
講師始めて、実は13年目なんだけど(信じられない。続けてるってことじゃなくて、それだけ歳とってるってことが。。。)
たまーーに、こういう学年があるのよね。
更にたまーーに「パタンナーになりないので、もう一度学校行きます!」みたいな子もいるの。。。
で、この研究科のクラスは、縫うのが好きな子が多い。
何か作るのが好きみたい。
とってもいいことだよね、ってワタシは思う。
だからかなんでか分かんないけど、ミシンやパターンや、糸とか押さえ金にまで興味津々みたい。
特に男の子、っていうのがちょっとびっくり。
ずいぶん前に、「伸縮性のある生地にロックかけるときは「ウーリーロック糸」に変えて縫ってもいいかも」
ってちらっと言ったら、
「なんすかそれっ!?」ってすごい興味示してきたから、
ロッカーの中探して糸を見せながら説明して、挙句、買い間違えないように見本として貸しちゃった、って事がありました。
すごいよね。興味りかたが。笑
こんだけ熱心に話聞いてくれたら、こっちも出来る限りの事をしたくなっちゃう。
それが講師ってものよ〜。 分かんないけど。。
でね、今日はロックミシンについてなの。
ロックミシンって、授業で少し説明するんだけど
説明することが多すぎるのと、時間ないのと、手元の説明だから上手く見せられないのとで、かなり雑な説明になってる。と思う。
必要最小限、っていうか。
だからまぁ、こんな機会に是非って事で、始めます。
まずこちら。myロックミシン「衣縫人」(←いほうじん、って読むの。ある種キラキラネーム。)
後ろが散らかってるとか、ミシンの年季が入ってるとか気にしないで。
なんせ19歳からずっと使ってるんだから!
学校にあるのは「糸取物語」(いととりものがたり)っていって、画像のような4つのダイヤルがついてないのが多いかな。
縫える機能は
・1本針3本糸普通ロック
・2本針4本糸普通ロック
・巻きロック
ってかんじ。 ちょっと複雑な機能なんだけど。
通常は針1本。 通す糸は3つ。
頑丈に縫うなら(地縫いも兼ねるなら)針2本にして糸も4本に増やして縫います。
長くなっちゃうから今日は基本、1本針3本糸の機能を説明。
こんなふうに糸を立てます。
普通はね。3本とも同じ色の糸使います。
ロック用の糸って、普通は90番手の糸使うんだけど、さっき話した「ウーリーロック糸」ってのがあって、例えばTシャツみたいなカットソー生地とか縫う時に使うの。
糸自体に伸縮性がある。
これ、ウチのロック糸入れ。
結構たくさん持ってた。
もー、こういう所がガサツでごめんなさい。
えーーい。
ありましたありました。
右から普通のロック糸(太巻きサイズ)普通のロック糸(普通サイズ)ウーリーロック糸(ピンク)、更にウーリーロック糸(茶色)
ウーリーと呼ばれる糸は、ちょっとふわふわしている。
中央が普通のロック糸なのに対し、右(ピンク)ちょいふわ、左(茶色)激ふわなの、分かる?
ちょいの方はちょっと伸びる。激の方は結構伸びるから、これは使用する生地の伸縮性によって使い分けするの。
んで、ほんとは3本とも同じ色、同じ種類の糸を使うんだけど、それだと縫い目の違いがよく分かんなくって説明になんないから、普通の糸を色だけ変えてセットしますね。
どの糸がどこを通ってて、結局どの縫い目になってるかって事だけど。。
ミシン、あけまーーす。
パカ。
見えにくい? ごめんなさい。これが限界だった。
赤糸は上ルーパーに、緑糸は下ルーパーに通ってて(画面右下)白糸は針に通ってます。
縫ってみますね。
ごめん。 デニムだと糸見えにくかった。黒い生地で試したのがこれ。
表側(縫ってる時上の面)
裏側
つまりね、上ルーパーの赤糸が表面の縫い目になってて、下ルーパーの緑糸が裏面の縫い目になってて、針の白糸が並縫いになってるって事よ。
一目瞭然でしょ?
ちなみに左端は生地のミミなので無視して下さい。
右端の縫い目の話ね。
学校のミシンは糸調節機能がないっていうか、あるんだけど全部自動になってるらしくって、全てミシンにお任せできるんだって。
つまりは、生地が変わったら、それに応じて勝手に糸の調節をしてくれるらしい。 それが「糸取物語」。
「へ〜〜!すごい!便利!!」
って思った方は、とても素直ね。 いいと思います。
でもね、ワタシとか、あと勝手に登場させちゃって悪いけど、オリエ氏みたいに、
「いえ。自分で調節しないと納得できませんから。。自分でやるんで。」
みたいな人間には、やっぱこの、若干旧式の「衣縫人」じゃないとダメなのよ。。
ロックミシンの糸調子についても書こうと思ったんだけど、
きっと読んでるの大半は学生だし、
「あ、いや、もうこれで十分です。。ミシンに全てお任せしますんで。。」
って人も多いと思うから、今日はこれにて終了。
次回はロックミシンの「巻きロック機能」についてお話しまっす。
あーー、「夜行観覧車・最終回」見なくちゃ〜〜。