今回の縫製手順シリーズの最終回!
「フライフロントあき」
ちょっとーー。これは結構大変よーー。
説明するのもだけど、読む方もね。
まぁ、時間がある時か、やり方が分からなくて切羽詰まってどうしようもない時に読んで下さい。
ちなみに、一度も縫ったことがない人は、ここの説明では不十分かも〜。
一度ワタシの授業で聞いてる人や、個人的にソーイングが趣味で、普段よく縫ってる人は、画像見ながら「ほうほう、ナルホドね〜。」って見れると思う。
んではスタート〜。
まず、持ち出しにファスナー付けます。
今回はあき止まりまでの長さが18cmと中途半端なので、ペンチで務歯をいくつか外し、長さ調整してあります。
長さ調整のやり方も紹介したいけど、そんなことしてたら画像枚数がとんでもないことになるので、今回は省略します。
持ち出し布の上にファスナー乗せます。
乗せる位置が肝心だよね。
肝心なんだけど、ここの説明ってどの本にも書いてないの。
おかしくない?
上は1.5cmくらいあける。縫い代分は1cmだけど、1cmぴったりにしちゃうと、後で困ったことになるのよね。
困るだけならいいけど、ミシン壊しちゃうことにもなりかねないから、この余分な5ミリは重要ってこと。 だって、ミシンの運命がかかってるんだから。
問題は横。 授業では1cmあけるって言ってた気がするけど、今回は5ミリくらいの所に止めました。
なぜかって? それはーー。
今はナイショ。
で、ピンで止めたらファスナーのテープのはしっこを縫います。
ようするに、今縫おうとしているファスナーのテープ端から、持ち出しの生地端までの幅が5ミリになってるって事ね。
で、スライダーの所が1.5cmあいてるってこと。
で、ここでちょっと全貌を。
こちらパンツの前身頃。向かって右が左前身頃。向かって左が右前身頃。
紛らわしいけど、なんでか分かるよね? 着た時に右になるか左になるかってことだから、こうして向かって見ちゃうと左右逆、みたいな感じになっちゃうの。ややこしいけど、別に難しくないでしょ?
で、今縫った持ち出しは右前身頃に、これから登場する見返しは左前身頃にそれぞれ付きます。
さっきの持ち出しは一旦保留で、次は見返しと左前身頃。
生地端を合わせてミシン縫いします。
ミシン縫いするんだけど。
最初から最後まで全部縫わず、ファスナー止まり位置から縫い始めて、あとは最後まで縫うほうがいいかも。
だからね、ファスナー止まり位置の合印やノッチは、絶対に入れておかないとダメ。 これないとパニクるよ、ホント。
縫ったらアイロンで見返しを裏に返します。
見返しの縫い代だけ割ってアイロンし
しっかり縫った所で返します。
返す時、縫い目を少し裏側にひかえるように形作ると綺麗。
この画像のようにね!笑
そしたら次は、ファスナー止まりから下のまたぐりを縫います。
左右の前身頃を中表に合わせて縫います。
この時、今扱った見返しは絶対によけること!
一緒に縫いこんじゃったら意味分かんない事になるから注意。
画像のように、見返しを出しておくとよし。
縫ってるとこ
縫い終わったら、右前身頃(見返しついてない方)の前端を5ミリだけ折ってアイロンします。
本当は縫い代1cmあるんだけど、半分だけしか折らない訳は、重なり分を作るため。
折ったら最初に仕上げた持ち出し登場。
画像のように持ち出しにのせて縫い付けます。
問題は、身頃を持ち出しのどのへんに合わせるか?っって事だけど、
今回持ち出し分は4cmにしてあるので、持ち出しの見える幅が4cmになるように合わせます。
こんなかんじに。
でね、この仕上がった時のファスナーの見え方を考えて、最初、持ち出しにファスナーを縫い付ける際に、生地端から5ミリあけたってわけ。
冒頭でナイショにしてた部分の答えがこれなのよ。
分かるかなー。
まー、分かんなければそれでもいいけど、この寸法通りにやればきれいにいくよ。
これからさらに山場です。
長いのよーー。 言ったでしょ?最初にさ。
出来上がりの状態に形を整えて、前端をピンで止めて固定しておきます。
5ミリ分重なるようになってるから、5ミリ分ほど左右を重ねて固定して下さい。
そしたら左前身頃をよけて裏返し
更に持ち出しもよけると、ファスナーと見返しだけになりますので、
この状態でピン打ちします。
ファスナーのテープの端を縫います。
縫ったら身頃を戻し、
表に返し
飾りステッチを入れます。
飾りステッチ。。。これって、はっきり言って、慣れとセンスの問題。。だと思う。。悲しいけど。
ワタシはあんまりセンス無いみたい。涙
さて終盤。
ずっとよけてた持ち出しを、最後戻します。
この時に、
「えっ?持ち出し?よけるの忘れてて、飾りステッチの時一緒に縫っちゃってました!」
って人は、残念だけど、またほどいてやり直しです。
「うーん、まぁ、いっか。このままでもまぁ大丈夫。着れるし。」
って、レベルの話じゃないんです。 持ち出しも一緒に縫っちゃってた、って事はつまり、ファスナー下ろしても開かなくなってるってこと。
これじゃー、パンツ着れないのよ〜〜。無念。。
大丈夫ならば次の工程へ。
最後、持ち出しも一緒に閂(カンヌキ)止め。
ココらへんをちょっとだけ返し縫い。
これで出来上がり。
なんだけど、ついでに股ぐり部分のステッチも入れときます。
ファスナー止まりから下は左高になるように縫い代を片倒しにし、ステッチを入れます。
ハイ完成。
チラリ。
はーー。めでたしめでたし。
っと言いたいとこですが。
ここで何か疑問に思った方。 そんなあなたはとても鋭い!!(多分)
ファスナー止まりから上は、縫い代が左右に折れているのに
ファスナー止まりから下は片倒しって。
矛盾してんじゃん!
ワタシもそう思う。
でも、これについて書かれている資料がないの。
みんなここを省略してんの。
何で?! ここが知りたいのに!!
こういうちょっとしたコツ、なんでみんなシークレットにしてんの?
それとも、曖昧なままでいいの??
いや、そんなはずない。はず。
なので、正確なっていうか本来のやり方がどうかは分かんないけど
ワタシが考えた結果、ファスナー止まりよりも少し下で、最後、持ち出しで見えなくなる部分に、切り込みを入れるってこと。
そうすれば、そこを堺にまたぐり縫い代を片倒せる。
既成品観察したけどダメだった。 ほどいてみないと分かんなかった。
残念ながら、今、分解可能なパンツがないので真相は謎のままですが。。。
わかったらまたアップします。
それでは終了!!
おつかれさまでしたーーー。はーー。
コメント
おー!画像がいっぱい!
「フライフロント」、、、比翼仕立てのボタン開き。
かと思ってたいへんだ〜 って思ってた。。。
ファスナー止まりから下の縫い代。
生地があついジーンズとかは、切り込み入れて方倒してて
普通の生地だったら、じょじょに方倒ししてるよ。
『生地による。』ってやつ。
切り込みは持ち出しの見えない所でこっそりされてるよ♪
ナゼ方倒しか。。
そこの部分の縫い代割ったら、履いてる時一番すれる部分だし、縫い目がほどけたら、、、お恥ずかしいことになっちゃうから!
スーツパンツとかは、割ってるけど裏に当て布されてるしね!
そんな理論だとおもう。
たぶん。
orieさま
いやーん。 理想的な補足コメント。素敵〜〜。
実はお待ちしてました!笑
そうそう。切り込み入れる時、多少の罪悪感を感じるのは、弱くなりそうだからなの。 でも、強い生地ならそれでもアリなのね。生地によるよね。
じょじょに片倒すってのもあるって読んでちょっとびっくり。
弱い生地とかは勇気がなくて切り込めなくて、いつもなんとなーく曖昧な感じだったのよん。
片倒しフェイドイン!
曖昧部分は持ち出しで隠す!みたいな…。
でも、それもアリなのね。
なるほど〜。またぐり縫い代を片倒しにする理由も含めて、勉強になるわー♪どうもありがとうー
そっか。フライフロント→比翼あき ね。
しかし、パンツのボタンあき仕様なんて、いっぱいいっぱいで恐らく説明不可能だよー。ワタシにはキャパオーバー。
でも、本とかにあまり載ってないから、頑張ってアップしようかな〜。
ファスナー止まりから下の縫い代がはっきりせず、ネットで勉強中でしたがこのページにたどり着き、やっと真髄が見えてきました。
すでに5枚目のジーンズを完成させたばかりですが、切込みの事知ってはいたのですが入れた事がありませんでした。6枚目は、ストレッチジーンズに挑戦ですが切込みを入れて作ってみます。
有り難う。
林茂雄様
コメントに気付かず、お返事が大変遅くなり申し訳ありません!
そしてメッセージありがとうございました!
もう5本もパンツ制作しているのですね。
すごいです。
手を動かすことが何よりの勉強です!
またぐりは、伸ばしながら縫うと綺麗に仕上がります。
また、メンズスラックスなどでは「くせとり」というアイロン処理も重要になります。
すでにご存知でしたらすみません。
これからも役立つブログをアップしていきますね!
今後とも宜しくお願い致します!